「歯並びをよくするには矯正が必要」と思っていませんか?
実は、幼少期であれば歯を直接動かさなくても、歯並びが改善されるケースがあります。そのカギとなるのが、「マイオブレース」と呼ばれる装置と、MFT(口腔筋機能療法)です。
今回は、マイオブレースのトレーニング=MFTについて、より詳しく解説します。
目次
■口腔筋機能療法(MFT)とは?
MFTとは、「舌・唇・頬・呼吸・飲み込み」など、口まわりの筋肉を正しく使えるようにするためのトレーニングです。
歯並びが乱れる原因のひとつに、「舌が正しい位置にない」「口呼吸になっている」「飲み込み方が間違っている」といった機能的な癖(口腔習癖)があります。
これらを改善しないまま矯正を行っても、歯並びや噛み合わせが再び乱れる後戻りのリスクが高くなります。口周りの筋肉や舌の正しい使い方、呼吸や姿勢などの習慣を見直し、正しい筋肉の使い方を身につけることが重要です。
■マイオブレースとMFTの関係とは?
マイオブレースは、「顎の成長誘導」や「悪習癖の改善」を目的とした取り外し式の装置です。装置を使うだけでなく、毎日自宅で数分程度行うMFT(トレーニング)を併用することで、より高い治療効果が期待できます。
■どんなトレーニングをするの?
代表的なMFTのトレーニングには、以下のようなものがあります:
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舌の位置を覚える練習(上あごに舌をつける)
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唇を閉じたまま呼吸する練習(鼻呼吸の習慣化)
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飲み込み時に舌が前に出ないようにする訓練
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音読や口の運動で唇と舌の筋肉を鍛える
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装置を使った咬合・発音・姿勢の訓練 など
こういったトレーニングは日々の積み重ねが大切です。
1日数分~10分程度を毎日続けることで、徐々に正しい筋肉の使い方が定着していきます。
■どうして必要なの?悪い癖を放置するとどうなる?
舌が常に前に出ていたり、口をぽかんと開けたままにする癖は、放置していると出っ歯や開咬(かいこう)、歯列のズレを引き起こす可能性があります。
矯正治療で歯を動かすだけでは、根本の原因=筋機能の乱れを解決できません。
MFTは、歯並びの原因となる癖に直接アプローチする、予防的な治療とも言えるのです。
また、トレーニングを通して「正しい呼吸・正しい姿勢・正しい飲み込み方」を身につけることで、全身の健康や集中力の向上にもつながるとされています。
■どんな子供が対象? こんな症状ありませんか?
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口呼吸が多い
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よく舌を出す・噛む
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口が常に開いている
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指しゃぶりがやめられない
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姿勢が悪く、ぽかんとした表情が多い
このような傾向があるお子様は、MFTの対象になる可能性が高いです。
装置を使わず、トレーニングだけで効果が出ることもあるため、早期の相談・診断がポイントです。
【マイオブレースとMFTで、自然な歯並びを育てよう】
マイオブレースと口腔筋機能療法(MFT)は、子供の顎の成長を活かして「自然な歯並び」へ導くための治療法です。
歯を抜いたり大きく動かしたりせず、原因から整えていくアプローチは、子供の将来の口元にもやさしい選択となります。
「装置をつけるだけでいい?」ではなく、“どう使い、どう習慣を変えるか”が成功の鍵。
気になる癖や姿勢があれば、ぜひ一度、当院へご相談ください。