
「横顔を見ると顎のラインがはっきりしない」
「口元が出ている気がするけど、歯並びのせい?」
こうしたお悩みの背景には、「アデノイド顔貌(あでのいどがんぼう)」と呼ばれる状態が隠れていることがあります。
この記事では、アデノイド顔貌の原因や特徴、矯正治療でどこまで改善できるのかについて解説します。
■アデノイド顔貌とは?
アデノイド顔貌とは、鼻の奥にある「アデノイド(咽頭扁桃)」が肥大することなどをきっかけに口呼吸が習慣化し、顔立ちや顎の成長に影響が出た状態を指します。
アデノイドは本来、細菌やウイルスから体を守る免疫組織ですが、幼少期にアレルギーや感染症の影響で肥大すると鼻呼吸がしづらくなり、口呼吸が定着しやすくなります。
この状態が成長期に長く続くことで、顎や顔の発達に影響を及ぼすことがあるのです。
主な特徴としては、口元が前方に突出している、下顎が後退して顎と首の境目がわかりにくい、面長で鼻の下が長く見える、お口がポカンと開いたままになりやすい、といったものがあります。
■アデノイド顔貌になる原因
アデノイド顔貌の原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって形成されます。
多いのが、アデノイドの肥大による口呼吸の習慣化です。口呼吸が続くと舌が上顎に正しく収まらず低い位置に下がるため、上顎や下顎の発育バランスが崩れ、顔立ちが変化していくことがあります。
そのほか、舌で前歯を押す癖や長期間の指しゃぶりといった悪習癖も、前歯の突出や噛み合わせの乱れを引き起こし、アデノイド顔貌を助長することがあります。
また、顎の大きさや骨格のバランスには遺伝的な要素も関係している場合もあります。
■アデノイド顔貌を放置するとどんなリスクがある?
口呼吸が続くことでお口の中が乾燥し、唾液の自浄作用が十分に働かなくなるため、むし歯や歯周病のリスクが高まるケースがあります。
さらに、口周りの筋力低下により歯並びや噛み合わせが悪化しやすくなるほか、睡眠時に舌が気道を塞ぎ、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となることもあります。
特にお子様の場合、成長期に口呼吸が続くと顎の発育そのものに影響するため、早めの対処が重要です。
■矯正治療で改善できる?できない?
歯並びの乱れや前歯の傾きが原因で口元が突出しているケースでは、ブラケット矯正やマウスピース矯正(インビザライン)で歯の位置を整えることで、横顔の印象が変わる可能性があります。
お子様の場合は、MFT(口腔筋機能療法)で口呼吸や舌癖を改善しながら、顎の発育を正しい方向へ導くアプローチも可能です。
一方で、下顎の骨自体が大きく後退しているなど骨格的な問題が主な原因のケースでは、矯正治療だけでは十分な改善が難しい場合もあります。このような場合には、顎の骨を移動させる外科的矯正治療が選択肢として検討されます。
【顔の印象が気になったら、まずはご相談ください】
アデノイド顔貌は原因によって適切なアプローチが異なります。お子様の口呼吸や顔つきの変化が気になる方も、大人になってから横顔のバランスが気になり始めた方も、まずはお気軽にご相談ください。
矯正を専門にしている歯科医師がお口の状態を丁寧に確認し、あなたに合った治療の選択肢をご提案いたします。

