ブラケット矯正やマウスピース矯正の治療の流れ
「矯正をしたいけれど、むし歯があるとダメなのかな?」
「治療中にむし歯になったらどうなるんだろう…?」
矯正治療を考えるとき、こんな不安を感じる方も多いのではないでしょうか。矯正は見た目を整えるだけでなく、噛み合わせやお口の健康を保つための大切な治療です。
だからこそ、治療を安全に進めるためには歯や歯茎の健康状態をしっかり整えておくことが必要です。
今回は、矯正治療の前に行う検査や、むし歯・歯周病が見つかったときの対応、ブラケット矯正とマウスピース矯正の流れについてわかりやすくご紹介します。
目次
■むし歯や歯周病があるときはどうする?
矯正治療は、歯をゆっくり動かしていく長期的な治療です。そのため、治療前の段階でお口の中にむし歯や歯周病がある場合は、まずそちらの治療を優先します。
たとえば、小さなむし歯であれば詰め物をしてから矯正をスタートできますし、歯茎に炎症がある場合は、歯石除去や歯周病治療を行ってから矯正に進むことになります。
状態が重い場合は、矯正治療の開始を少し先送りにするケースもありますが、どれも将来のトラブルを防ぐための大切な準備です。
また、矯正中にむし歯ができてしまった場合も、装置をつけたまま処置できることがあります。ただし、大きな治療や補綴(被せ物)が必要な場合には、一時的に装置を外すことになるかもしれません。
その際も、状況に応じて治療のスケジュールを柔軟に調整しますのでご安心ください。
■矯正治療の流れと、治療中の注意点
矯正治療には、大きく分けて「ブラケット矯正」と「マウスピース矯正(インビザライン)」の2つがあります。それぞれの流れと特徴をご紹介します。
◎ブラケット矯正の場合
カウンセリングと精密検査を行った後、治療計画をご説明し、歯の表面にブラケットという小さな装置を装着します。
ワイヤーの調整はおよそ月1回程度。装置は外せないため、歯磨きの難しさやむし歯リスクに注意が必要です。
矯正期間が終わった後は、後戻りを防ぐリテーナー(保定装置)を使って歯並びを安定させます。
◎マウスピース矯正の場合
まずはお口の中をiTero(光学スキャナー)でスキャンし、3Dシミュレーション「クリンチェック」で治療の完成イメージを確認します。そこからオーダーメイドのアライナー(マウスピース)を順番に装着していきます。
マウスピースは取り外し可能なので、むし歯治療やクリーニングとも両立しやすく、食事や歯磨きのときも通常通り過ごせます。ただし、1日22時間以上の装着が必要になるため、自己管理が重要です。
■トラブルが起きた場合の対応
矯正治療中にむし歯や歯茎の問題が発生した場合、まずそれらを治療してから矯正を再開できます。
たとえば、小さなむし歯ならそのまま処置可能ですが、大きな補綴が必要な場合は一時的に装置を外して、治療後に再調整。歯茎の腫れなどが出たときは、矯正力を一時的に緩めて炎症が落ち着くのを待つ場合もあります。
焦らず、着実に治療を進めることが何より大切です。
【治療を成功させるポイントは、焦らず、正しい順番で進めること】
矯正治療は、ただ歯を動かすだけでなく、「健康な状態を保ちながらきれいな歯並びを目指す」治療です。むし歯や歯周病がある場合は、まずしっかり治してからスタートすれば大丈夫。
途中でトラブルがあっても、治療の進行を柔軟に調整しながら対応できます。
気になることがあれば、ぜひ遠慮なくご相談ください。