「指しゃぶりがなかなかやめられない…」

「いつも口がぽかんと開いている…」

そんなお悩みをお持ちの親御さんへ。

実は、こうした“何気ない癖”が、将来の歯並びに大きな影響を与えることがあります。今回は、子供の歯並びに悪影響を及ぼす5つの習慣と、放置することで起こりうるリスク、そして早期対策としての小児矯正の重要性についてお伝えします。

■口呼吸

鼻炎やアレルギーなどで鼻呼吸がしにくい子に多く見られるのが「口呼吸」。

口が常に開いていると、唇や舌の位置が安定せず、前歯が押し出されるように動いてしまうことがあります。

その結果、出っ歯（上顎前突：じょうがくぜんとつ）や開咬（かいこう：上下の前歯が噛み合わない）といった歯並びの乱れに繋がることも。

■指しゃぶり・おしゃぶりの長期使用

赤ちゃんの頃の指しゃぶりは自然な行動ですが、長期間続くことで歯や顎の成長に影響を与えることがあります。特に3歳を過ぎても続く場合は要注意です。

吸う力によって上の歯が前に傾いたり、上下の歯の間にすき間ができたりと、噛み合わせに悪影響を及ぼします。

また、おしゃぶりも長く使いすぎると同様のリスクがあり、適切な時期での卒業が大切です。

■頬杖やうつぶせ寝

勉強中の頬杖、就寝時のうつぶせ寝…。

これらも実は、顎に片側だけ力がかかる癖として問題視されています。成長期のやわらかい骨に一方向の圧力が加わることで、顎が曲がったり、顔の左右差が出たりする可能性があります。

■舌の癖（舌突出癖：ぜつとっしゅつへき）

話すときや飲み込むときに舌を前に突き出す「舌突出癖」は、前歯を常に内側から押し出すような力がかかり、開咬やすきっ歯を引き起こす原因に。
この癖は見逃されやすいため、発音の違和感などがあれば歯科医院で一度相談してみましょう。

■噛まない食事習慣

やわらかいものばかり食べていると、顎の骨や筋肉がしっかり成長せず、すべての歯がきれいに並ぶスペースが確保できません。しっかり噛むことは、歯並び・顔立ち・集中力の育成にも関わる大切な習慣です。

■放置するとどうなる？

これらの習慣を「そのうち治る」と軽く見てしまうと、永久歯が生え揃う頃には歯列が大きく乱れてしまうことがあります。歯並びの乱れは見た目の問題だけでなく、むし歯や歯周病、発音障害、咀嚼や呼吸のトラブルなど、全身に影響することも。

■小児矯正で早めの対応を

小児矯正は、ただ歯を動かすだけでなく、子供の成長を利用して顎の発育を正しい方向へ導く治療です。

また、舌癖や口呼吸などの悪習癖に対しては、「MFT（口腔筋機能療法）」というトレーニングで、癖そのものを改善する方法もあります。

「歯並び、少し気になるかも…」

そう感じたら、早めの相談が未来の予防につながります。

子供の矯正は何歳から始めたらいいの？という疑問については、こちらの記事をご確認ください。

＞小児矯正は何歳から始めたらいいの？そのメリットは？

【気になる癖は“今”見直すことが大切】

子供の歯並びを守るためには、見た目だけでなく日々の習慣にも目を向けることが大切です。少しの癖が、大きなトラブルにつながる前に。まずは、相談からはじめてみませんか？

子供の矯正の適切な時期はお子様によって異なります。カウンセリングでは一人ひとりに合った時期や治療計画をご提案しております。お気軽にご相談ください。